近年の税制改正で年末調整がややこしくなってきましたが、年末調整の際に従業員から回収する書類がまた増えるようですね。
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給与所得者の基礎控除申告書
年末調整関係の書類といえば、平成30年分の場合「給与所得者の扶養控除等申告書」「給与所得者の配偶者控除等申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」の3つです。
平成29年分以前は配偶者特別控除申告書と保険料控除申告書がくっついていましたが、平成30年からは分かれてしまいました。
そして平成30年度税制改正により、基礎控除についても48万円に増額されるものの高額所得者は徐々に減っていくことになり、一律ではなくなるため、新たな書類が増えることになりました。
その名も「給与所得者の基礎控除申告書」です。
この基礎控除申告書には、給与所得者がその年の合計所得金額(ざっくりいうと各種所得控除前の所得金額)の見積額などを記載し、給与の支払者である会社が、その見積額に応じた基礎控除額で年末調整をするというもの。
合計所得金額が2,400万円超から基礎控除の縮減が始まるので、高額所得者でなければ影響はないのですが、申告書の提出は合計所得金額が2,400万円以下の人でも提出が必要です。
様式はまだ公開されていませんが、これで年末調整関係の書類は4つになります。
適用は平成32年(2020年)の年末調整から提出が必要になります。
合計所得金額の申告は副業の分も申告が必要?
給与所得者の基礎控除申告書に記載する合計所得金額の見積額には、給与所得以外の所得の金額の記載も必要と思われます。
となると副業の所得の申告も必要になりますが、社内規定で副業禁止が定められている場合は困りますよね。
本来は副業の所得も含めて記載すべきなんですが、まあ記載しなくても確定申告するなら確定申告で精算されるので問題はないでしょうね。
まとめ
配偶者控除の改正があったと思ったら、今度は基礎控除や給与所得控除額、公的年金等控除額の改正で、所得税がますますややこしくなってきます。
もう給与ソフトを使わなければ年末調整もできないでしょうし、年末調整の結果、還付ではなく徴収になるということも増えてきそうです。
年末調整が終わっても、配偶者控除額が過大であったりしたことによる「控除誤りの是正のお知らせ」が届く頻度も多くなりそうな気がしますね。
年末調整を含めた給与事務が混沌としてきそうです。