日本政策金融公庫の創業融資は、通常の新創業融資制度のほか中小企業経営力強化資金による創業融資も見逃せません。
通常の新創業融資制度よりも多くのメリットがありますので、条件に該当する方はこちらを選択するべきです。
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中小企業経営力強化資金とは
対象者
日本政策金融公庫のHPには次のようにあります。
- 経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
- 自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方
創業者はもちろんのこと、経営改善のため何か新しいことを始める事業者あれば、この制度による融資を受けられます。
そしてもう一つ大事なのは、税理士等の認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けていることです。
新創業融資制度では、そういった要件がないので税理士等の力を借りなくても、ご自身で申込みから借入れまでできますが、中小企業経営力強化資金では認定支援機関の支援がなければ申し込むことはできません。
借入条件
融資限度額は、運転資金は4,800万円まで、設備資金は2,400万円までの合計7,200万円となります。
また返済期間は、運転資金は7年以内、設備資金が20年以内で、それぞれ2年間の据置期間があります。
必要書類
新創業融資制度と同様に、借入申込書・企業概要書・創業計画書のほかに、事業計画書と融資後1年ごとに提出する事業計画進捗報告書が必要になります。
事業計画書の記載例
認定支援機関の所見というところが、助言および支援を受けていることの証明になります。
事業計画書進捗報告書の記載例
メリット
- 金利が1%台と低い
- 2,000万円までは無担保・無保証人
- 自己資金要件がないので、自己資金が少なくても融資実行の可能性が高い
- 認定支援機関がアドバイスしているということで審査が通りやすい
認定支援機関のサポート受けた上で作成された事業計画書ということで信頼性があるためか、新創業融資制度よりも1%近く金利が低くなっています。
また、無担保・無保証人の限度額は2,000万円と、新創業融資制度の3,000万円よりも少ないですが、新創業融資制度で満額受けられることはまれで、稟議の関係で実質的には1,000万円と言われています。
自己資金の要件がないのもうれしいですが、実際は自己資金があったほうが融資の可能性は高いと思われますし、事業を続けていくうえでも大切です。
デメリット
- 認定支援機関のサポートが必要なため費用がかかる
- 創業計画書のほか事業計画書の作成が必要
- 1年ごとの経過報告が必要
認定支援機関のサポートが必要なため、税理士等に対する報酬が必要になりますが、もともと税理士等に顧問を依頼する予定であれば、その報酬分を金利の減少分で賄える場合もあるでしょう。
まとめ
税理士等を顧問につけないのであれば、通常の新創業融資制度1択になりますが、税理士等と顧問契約するのであれば、この中小企業経営力強化資金での創業融資を受けなければ非常にもったにないと言えます。
当事務所も認定支援機関ですので、創業融資のご相談があれば顧問契約の締結が条件ですが、まず、この中小企業経営力強化資金での創業融資を提案しています。