法人は例え赤字であっても、一定額の税金を納付しなければいけません。
これを法人住民税の均等割といいます。
では、どんな場合に課税されるものなのでしょうか?
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均等割が課税される場合
法人住民税の均等割が課税されるのは、次の場合です。
- 各都道府県・市町村内に事務所等を有する場合
- 各都道府県・市町村内に寮等を有する場合
- 各都道府県・市町村内に事務所等または寮等を有する公益法人等や法人でない財団または社団で、代表者または管理者の定めがないもの
事務所等とは?
ここでいう事務所等とは、次の3つの要件のすべてを満たすものをいいます。
- 人的設備
- 物的設備
- 事業の継続性
人的設備
法人の役員、正社員、パート、アルバイト、派遣社員など事業活動に従事する人がいる場合や、代表者または管理人の定めがある場合には人的設備に該当します。
物的設備
事業を行うために必要な土地、建物、機械設備、事務設備などを設けていれば該当し、自己所有であるかを問いませんので、事務所を借りている場合でも該当します。
事業の継続性
事業が事業年度の全期間を通じて行われている場合のほか、定期的または不定期的に相当日数継続して行われる場合に該当します。
2、3ヶ月程度などの一時的に設置された現場事務所、仮小屋などは該当しません。
寮等とは?
寮等とは、寮、宿泊所、クラブ、保養所、集会所その他これらに類するもので、法人又は法人でない社団もしくは財団が、従業者の宿泊、慰安、娯楽などの便宜を図るために常時設けている施設をいいます。
まぎらわしいのですが、この寮には一般的にイメージされる独身寮や社員住宅等のように、特定の従業員の居住のための施設は該当しません。
均等割が課税されない場合の具体例
人が常駐していない倉庫
常駐する管理者のいない単純にものだけを保管している倉庫は、人的設備の要件を満たしませんので均等割は課税されません。
休業中の法人
これは自治体によって取扱が異なるのですが、休業中の法人は均等割が免除される場合があります。
この場合、休業中であることを記載した異動届出書を提出し、確定申告時に税額が0円の確定申告書とともに、休業中であるため均等割免除の旨を記載した書面をつけておきましょう。
あくまでも、自体によって取扱が変わりますので、事前に確認することをオススメします。
税額はいくら?
税額は自治体によって異なり、資本金等の額(資本金+資本剰余金)によって段階的に決められており、市町村民税についてはさらに従業者数が50人以下か50人超かの区分で変わります。
【大阪市の場合】※投稿日現在
資本金等の額の区分 | 従業者数 | 年税額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 50人以下 | 5万円 |
50人超 | 12万円 | |
1,000万円超1億円以下 | 50人以下 | 13万円 |
50人超 | 15万円 | |
1億円超10億円以下 | 50人以下 | 16万円 |
50人超 | 40万円 | |
10億円超50億円以下 | 50人以下 | 41万円 |
50人超 | 175万円 | |
50億円超 | 50人以下 | 41万円 |
50人超 | 300万円 |
注意が必要なのは、公共法人、公益法人等、人格のない社団等、一般社団法人、法人で資本金の額または出資金の額を有しないものは、1,000万円以下のランクになるということです。
まとめ
- 法人住民税の均等割は、赤字でも事務所等や寮等がある場合には課税される。
- 事務所等は①人的設備②物的設備③事業の継続性の3要件をひとつでも満たさなければ均等割は課税されない。
- 寮等には独身寮や社宅は含まれない(=均等割は課税されない)。
- 税額は資本金の額(資本金+資本剰余金)の額で変わる
均等割は当たり前のように課税されると思われますが、人が常駐していない倉庫や休業中の法人などは課税されないことがありますので、忘れず確認しておきましょう。