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目的によって取扱いが異なる取り壊し費用

投稿日:2018年7月18日 更新日:

建物などの固定資産の取り壊し費用は、費用とつくのでなんでも経費になると思われがちです。

ところが取り壊しの目的によっては、経費にならなかったりする場合もあるので注意が必要です。

 

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取り壊し費用は基本的には経費になる

新たな建物等を建てる目的で建物等を取り壊した場合には、取り壊し費用とその取り壊した建物等の取り壊し直前の帳簿価額は、取り壊したときの経費になります。

法人税基本通達 7-7-1  取り壊した建物等の帳簿価額の損金算入

法人がその有する建物、構築物等でまだ使用に耐え得るものを取り壊し新たにこれに代わる建物、構築物等を取得した場合には、その取り壊した資産の取壊し直前の帳簿価額(取り壊した時における廃材等の見積額を除く。)、その取り壊した日の属する事業年度の損金の額に算入する。

建て替えの場合は特に問題ないといえます。

 

取り壊しの目的が土地の取得の場合

土地付き建物を購入して、すぐにその建物を取り壊した場合には、その取り壊し費用とその取り壊した建物の取り壊し直前の帳簿価額は土地の取得価額に含めることになります。

つまり、その建物が欲しかったわけではなく、その敷地の土地の取得が目的だったわけですから、取り壊し費用や建物の帳簿価額は土地を取得するための付随費用とみなされるわけです。

この場合のすぐというのは取得してからすぐというのではなく、おおむね1年以内に取り壊すなど土地の取得が目的だと明らかな場合を含みます。

建物取得後、何かの用途に使っていないと、土地の取得が目的だとされる可能性がありますね。

取り壊し費用と建物等の帳簿価額が土地の取得価額に含まれてしまうと、土地は減価償却ができませんので、その土地を売却するまではこれらを費用化できないことになります。

法人税基本通達 7-3-6  土地とともに取得した建物等の取壊費等

法人が建物等の存する土地(借地権を含む)を建物等とともに取得した場合又は自己の有する土地の上に存する借地人の建物等を取得した場合において、その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額(廃材等の処分によって得た金額がある場合は、当該金額を控除した金額)は、当該土地の取得価額に算入する

 

まとめ

建物などの固定資産の取り壊し費用は、取り壊しの目的によっては土地の取得価額に含まれてしまい、支出したときの経費にならない場合があります。

取り壊しの目的 取扱い
新たな建物等の取得 取り壊し費用と取り壊し直前の帳簿価額は取り壊し時の経費
土地の取得(1年以内の建物等の取り壊しを含む) 土地の取得価額に含める

 

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