保険金や損害賠償金を受け取った場合、税金は課税されるのでしょうか?
答えは、保険金や損害賠償金の内容によって税金が課税されるものと課税されないものに分かれます。
メニュー
税金が課税される保険金・損害賠償金
所得税・住民税が課税されるもの
事業所得等となるもの
事業所得・不動産所得・山林所得のある人が、その事業等にかかる保険金・損害賠償金・相当の見舞金を受け取った場合は、その事業所得・不動産所得・山林所得の収入金額になります。
1.売上を補てんするためのもの
- 棚卸資産や山林の損失を補てんする保険金
- 資産に加えられた損害による収益補償金・休業補償金
- 工業所有権・著作権等の無断使用による損害賠償金(示談金)
2.必要経費になる金額を補てんするための保険金
- 従業員の給与を補てんするもの
- 店舗の賃借料を補てんするもの
- その他の維持管理費用を補てんするもの
一時所得となるもの
生命保険契約や損害保険契約にもとづき支払われる次の保険金等で保険契約者(保険料を支払った人)=保険金受取人のものは、一時所得になります。
- 死亡保険金
- 解約返戻金
- 満期保険金
- 満期返戻金
相続税が課税されるもの
保険契約者(保険料支払者)=被保険者の場合に、保険契約者の死亡により保険契約者以外の保険金受取人が受け取る生命保険金等
贈与税が課税されるもの
保険契約者(保険料支払者)≠被保険者の場合に、被保険者の死亡により保険契約者以外の保険金受取人が受け取る生命保険金等
税金が課税されない保険金・損害賠償金等
所得税・住民税が課税されないもの
- 人的損害によるもの
・損害保険契約による保険金で生存している場合に受取るもの(死亡のものは一時所得)
・医療保険金
・慰謝料
・損害賠償金
・心身に加えられた損害に基因する収益補償金(休業補償金)
・日照権の妨害に基づく補償金 - 物的損害によるもの
・資産の損害に基因する損害保険契約の保険金
・資産に加えられた損害により受ける損害賠償金 - 心身または資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金
- 相続税または贈与税の対象となる保険金(相続税または贈与税が課税されるので)
相続税が課税されないもの
- 保険契約者(保険料支払者)=保険金受取人の場合に、保険契約者が受取る保険金等(一時所得)
- 保険契約者(保険料支払者)≠被保険者の場合に、保険契約者以外の保険金受取人が受取る保険金等(贈与税)
- 法定相続人の数×500万円までの金額
贈与税が課税されないもの
- 保険契約者(保険料支払者)=保険金受取人の場合に、保険契約者が受取る保険金等(一時所得)
- 保険契約者(保険料支払者)=被保険者の場合に、保険契約者以外の保険金受取人が受取る保険金等(相続税)
まとめ
保険金や損害賠償金は、その内容によって税金が課税されるのか課税されないのか、所得税・住民税、相続税、贈与税の課税対象になるのかが変わってきます。
1.課税関係
取得した保険金・ 損害賠償金等 |
損害に基因するもの | 収入金額に代わるもの | 事業所得等 |
上記以外 | 非課税 | ||
生命保険契約等 に基づく一時金 |
相続税・贈与税の対象 | ||
上記以外 | 一時所得 |
2.人的損害・物的損害に基因する保険金等のまとめ
区分 | 対象 | 課税・非課税 | |
---|---|---|---|
必要経費に算入される金額を補てんするための金額
|
課税 | ||
上記以外 | 人的損害 | すべて | 非課税 |
物的損害 相当の見舞金 |
棚卸資産 山林 収益補償 |
課税 | |
上記以外 | 非課税 |
なお、法人については受取る保険金のすべてが課税されます。