情報提供やお客さまを紹介してもらった際に支払う謝礼で、それを生業としていない人に対するものは、原則として交際費になります。
しかし、一定の要件を満たせば、交際費に該当せず支払手数料とすることができます。
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情報提供料や謝礼が交際費とされると
情報提供料や謝礼が交際費となっても、法人の場合、資本金1億円以下の中小企業者等は年間800万円までは税務上の費用として認められます(損金算入されます)。
また、個人事業主の場合は、交際費について特に金額の制限はありませんので、交際費になろうが支払手数料になろうがどちらにしても経費になります(もちろん事業と関係のない支出は交際費どころか経費にもなりませんが)。
なので、今回のお話は、交際費が年間800万円を超えるような法人や資本金1億円超の大法人向けの内容となります。
交際費とならないための要件
情報提供料や謝礼が交際費とならないための要件は、措置法通達61の4(1)-8にあります。
法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供(以下「情報提供等」という。)を行うことを業としていない者(当該取引に係る相手方の従業員等を除く。)に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき例えば次の要件の全てを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない。
- その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
- 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
- その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。
1については、契約書があれば一番いいのですが、「ご紹介キャンペーン」などのチラシなどで事前に金額と内容が提示されているものであれば大丈夫です。
あとは金額が、その情報提供や紹介の内容に照らして相当かどうかがポイントです。
契約書を交わしていたとしても、その金額が不相当に高額な場合は交際費どころか、むしろ寄附金になってしまいます。
また、謝礼として交際費になってしまうと、消費税においても仕入税額控除ができません。
情報提供料や謝礼をもらった側はどうなる?
逆に情報提供料や謝礼をもらった方はどうするのでしょうか?
受け取ったのが法人の場合は、収入に計上しますので法人税が課税されます。
受け取ったのが個人の場合は、情報提供料ならば雑所得、謝礼なら一時所得(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは雑所得)が想定されます。
雑所得であれば確定申告をする必要があります(サラリーマンで給与所得以外の所得が20万円以下の場合など、一定の場合には確定申告をしないこともできます)。
一時所得になれば収入金額から50万円の特別控除を引けるので、他に高額な一時所得(満期保険金など)がない限りは所得税と住民税が課税されることは、あまりありません。
まとめ
情報提供を生業としていない人に支払った情報提供料や謝礼を、支払手数料として経費にする場合には、内容や金額を記載した契約書などを作成しておきましょう。
そして、その金額が役務の内容に照らして相当であるかも重要です。