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少人数私募債の利子の課税方式が平成28年分確定申告から変わります

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少人数私募債

平成27年までは、少人数私募債の利子は利子所得として20.315%の所得税・住民税が源泉徴収されて、他の所得と合算されることなく課税関係が終了する源泉分離課税方式でした。

このしくみを利用した節税策が横行したこともあり、平成28年1月1日以降に支払われる利子について一定の要件を満たすものは源泉分離課税ではなく総合課税されることになりました。

 

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少人数私募債を利用した節税策とは?

少人数私募債とは、簡単にいうと金融機関や証券会社などのプロの投資家を除いた者が対象で、その人数が50人未満に制限されているものをいいます。

少人数私募債の利子は源泉分離課税で他の所得と合算されず、20.315%の税金が徴収されて終わりで、所得が多い人も少ない人も同じ金額の税金を納めるわけです。

この手法は経営者=株主の同族会社で用いられることが多く、通常、代表者などが会社にお金を貸し付ける場合、貸付金として利息を貰えば、雑所得として他の総合課税の所得と合算されて課税されるため、超過累進税率により他の所得が多いと利息に対する税率も高くなります。

ところが、社債として貸し付ければ他の総合課税の所得と合算されず、他の所得がどんなに多くても20.315%の税金だけで済むのです。

平成27年分の場合、所得税の最高税率と45%住民税の税率10%との合計55%ですから、倍以上税率が違うことになります。

 

平成28年分以降はどう変わったのか

高額所得者ほど恩恵を受けられる制度を正すために、平成28年1月1日以降に支払を受ける少人数私募債などの一般公社債の利子のうち、同族会社発行した公社債の利子で、その同族会社の株主が支払を受けるものは総合課税となり、他の総合課税の所得と合算されて超過累進税率により課税されることになりました(役員であるかどうかは問いません)。

ただし、同族会社の株主ならすべての人が総合課税されるのではなく、会社の支配権が強い人が対象で、それ以外の人は従来と同様に源泉分離課税で課税されます。

総合課税とされる人

総合課税とされる人は、次のいずれかの人です。

  1. 第1順位の株主グループの株式の所有割合が50%超の場合
    …その第1順位の株主グループに属する人
  2. 第1順位と第2順位の株主グループの持ち株数を合計して初めて株式の所有割合が50%超の場合
    …その第1順位と第2順位の株主グループに属する人
  3. 第1順位と第2順位と第3順位の株主グループの持ち株数を合計して初めて株式の所有割合が50%超の場合
    …その第1順位と第2順位と第3順位の株主グループに属する人

つまり、第1順位から数えて初めて所有割合が50%超となる株主グループに属していると総合課税になるということです。

なお、第4順位まで合計して初めて50%超となる場合は、そもそもその会社は同族会社ではないので、総合課税される人は生じません。

また、株主グループとは次のグループをいいます。

その会社の特定の株主一人とその株主の親族、その株主の特殊関係者(使用人、内縁の妻など)、これらの者の株式所有割合が50%超の法人

 

源泉分離課税とされる人

次の人は、平成27年以前と同様に一般公社債の利子については源泉分離課税されます。

  • 同族会社の株主で、第1順位の株主グループから計算して初めて株式の所有割合が50%超となる株主グループのいずれにも属していない人
  • 同族会社以外の株主

 

まとめ

平成28年以降に同族会社から支払を受ける一般公社債の利子は総合課税されることになり、親族のみが株主の同族会社が少人数私募債を発行する旨味がなくなりました。

今回の改正は高額所得者をターゲットにしたものですが、課税の公平を考えると、担税力がある人から徴収するのが公平なのか、税率を同じにするのが公平なのか考えさせられますね。

 

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